目次
第1章 大脳生理学から見た心の仕組み
1 2つの世界…私たちは「物の世界」と「心の世界」に住んでいます
2 「心の世界」…「心の世界」では同じ言葉が相手によって違う結果を生みます
3 心がある場所…心は身体のどこにあるのでしょう?
4 心と内臓…心の働きは胃腸や心臓に影響を与えます
5 心と頭…心と頭をつなぐ言葉に注目してみましょう
6 脳の三層構造…脳は大脳新皮質・大脳辺縁系・脳幹の三層構造になっています
7 人間らしさの脳…大脳新皮質は人間らしさ・その人らしさの脳です
8 ほ乳類共通の脳…大脳辺縁系はほ乳類共通の脳です
9 は虫類に似た脳…脳幹はは虫類に似た脳であり生命活動の中枢です
10 空腹・満腹の座…空腹感・満腹感も心の一つです
11 食欲を育む…食欲は「○○を食べたい」という心です
12 マイナスの食欲…特定の食物に食欲が起こらないことがあります
第2章 現代の子どもの傾向
13 自信の喪失…自信を持っている子どもは多くありません
14 悲観的な思い…将来を明るく感じている子どもは多くありません
15 見えない将来…将来のために今努力しようと考える子どもは多くありません
16 孤立する親子…子どもと親の絆が少し弱い気がします
17 規範の未修得…しっかりした規範を持っている子どもは多くありません
18 快・不快先行…善・悪より快・不快が行動の基準になりがちです
19 我慢の体験不足…我慢する力が弱くなっています
20 失敗の体験不足…失敗の体験が少なすぎます
21 叱られ体験不足…軽く叱られても大きく傷つきます
22 共有する価値観の縮小…価値観を共有する部分が縮小しています
23 身体的体験の不足…身体的体験を通して修得したものが減少しています
24 貧しい言葉…言葉による表現が貧しくなっています
第3章 子どもに接するときの留意点
25 まず信頼関係から…教育は信頼関係の上に成り立っています
26 モデルとなる大人…子どもは身近の大人をモデルにして成長します
27 心の栄養も必要…心の成長には心の栄養が必要です
28 心の病気の予防…心の過労は心の病気を起こします
29 焦らずに…心の成長には時間が必要です
30 価値観の違いを整理…何がよいかという価値観を整理する必要があります
31 心の底から共感…子どもの悩む心に共感することが大事です
32 自信を与える…自信をつけてやるのは教育の役目です
33 過剰な指示は避ける…失敗させまいとする心が過干渉を招きます
34 ある範囲での制限…制限のない人間社会はあり得ません
35 言葉の魔術…魅力的な言葉の魔術にかからないように
36 恥をかかさない…注意する場合も面子だけは尊重しましょう
第4章 心を育む食事
37 生命の原点としての食物…食物なくして生命はあり得ません
38 他の生命体としての食物…食物はすべて動植物の生命体です
39 生きる営みとしての食事…食事は生きる営みそのものです
40 生きる手段としての狩猟採取…人類の最初は狩猟採取が食物獲得の手段でした
41 食物を育てる営み…農業は自ら食物を育てる行為です
42 自然への畏敬…食物を与えてくれる自然への畏敬の心が必要です
43 食物の加工と保存…食物の加工と保存は冬を生きぬく手段でした
44 調理により快適な食事…調理は食事を安全かつ快適なものにします
45 好意を示すもてなし…食事を供することは歓迎の心を表す手段でした
46 愛の証としての食物…食物を供することで愛を表現します
47 調理の手間は愛の表現…調理にかける手間は愛の表現です
48 心を喜ばせる食事…食事は心の中枢である脳に満足感を与えます
49 心が安らぐ家庭…家庭での食事が心に安らぎを与えます
50 連帯感を育む食事…いっしょに食べると連帯感が生まれます
51 心が躍る好物…好きな食物を前にすると心がウキウキします
52 感動を再現する食物…思い出の食物は過去の感動を再現します
53 生活のリズムとしての行事食…行事食は生活にメリハリをつけ生きている実感を高めます
54 味覚から生きる力へ…あらゆる味覚を総動員して生きる力を育みましょう
第5章 心の苦悩と食事
55 心の表現としての好き嫌い…好き嫌いから様々な心の状況がわかります
56 偏食などの要因となる孤食…独りで好き勝手に食べると偏食や過食・小食を誘導します
57 肥満を招く「代償食い」…欲求不満を解消するために食べると過食から肥満を誘導します
58 「退屈しのぎ食い」と肥満…退屈しのぎに食べると過食から肥満を誘導します
59 なおしてやりたい犬食い…犬食いは将来の自立を考えて育児されていないことの反映です
錯綜する「心の教育」現場は救世の一書
「キレる」「ムカつく」「自信の喪失」さらに「学級崩壊」・・・。現代の教育現場を取り巻く「子どもたちの心の問題」はますます複雑化し、現場の教師自身がその全体像を把握することすら困難になりつつあります。本書は大脳生理学の立場から、これらの問題にアプローチし、救いを求める子どもたちへの具体的な対処方法を、明確に説きあかすユニークな好著です。また、基礎編に続き、栄養学・日常習慣指導の視点から、心の問題をいかに理解すべきかも解りやすく解説し、全体的理解への手引きとしています。