目次
第1章 子どものうつ病と学校での予防教育
1 心の病が広がる――蔓延するうつ病
2 子どももうつ病になるのだろうか?
(1)子どものうつ病は発見されにくい
(2)子どものうつ病とは
3 子どものうつ病は本当に多いのか?
(1)うつ病を質問紙でとらえる
(2)最近の調査を見る
4 病気なら治療、子どものうつ病にはどのように対処したらいいの?
(1)うつ病の治療で最初に考えること
(2)うつ病の子どもへの接し方
5 学校におけるうつ病予防の必要性
(1)うつ病の予備軍は目の前にいる
(2)予防の場としての学校
第2章 何がうつをつくるのか
1 最初に気になること――遺伝の要因はどれほど強いのか
2 環境と個性がぶつかり合う
(1)どんな経験がうつ病をつくるのか
(2)個性としての心の特徴
3 生後の経験がつくる心の特徴
(1)親の養育態度の大切さ
(2)うつ病と性格の関係
4 性格のタイプと健康、適応との関係
(1)性格のタイプの大きな分類
(2)理想的なタイプ
(3)攻撃タイプと依存・消極タイプは問題あり
(4)性格の2大歪みからうつ病への道すじ
第3章 学校での予防教育のターゲットを絞る ――認知、感情、行動とうつ病の関係
1 性格よりも、それを構成する心の要素に注目しよう!
2 認知がつくるうつ
(1)問題ある認知とうつ病における位置
(2)学校の予防教育でターゲットにする認知の歪み
(3)望ましい認知のあり方
3 感情がつくるうつ
(1)感情の種類
(2)学校での予防教育でターゲットにしたい感情
(3)抑うつ感情と怒り感情への対処
4 行動がつくるうつ
(1)無理な頼みへどう対応するか
(2)問題ある対応
(3)理想の対応――アサーティブ・メッセージ
5 学校予防教育の目標
(1)目標の設定
(2)認知と感情と行動の連動した動き
第4章 予防教育のための教室環境の設定と導入教育
実践の背景
教室環境を整える大切さ
プログラム参加へのモチベーション
実践のテクニック
教室の人的環境を整える
プログラム実践へのやる気を高める
実践 導入教育
実践―導入1 放っておいても、「効果あり」の教室環境にしよう!
実践―導入2 予防教育のとりこにしよう!
第5章 学校で認知を変える予防教育を実践する
実践の背景
認知行動療法の基本的な考え方
強化はどうしても必要になる
実践のテクニック
自分の思考をモニターして変える
強化はさりげなく
ロール・プレイの絶大なる効果
実践 認知教育
実践―認知1 心のつぶやきを聞いてみよう!
実践―認知2 心のつぶやきと気持ちの関係について考えよう!
実践―認知3 心のつぶやき、チェック! チェック!
実践―認知4 心のつぶやき、チェンジ! チェンジ!
実践―認知5 がっかりしても、カーッとなっても、心のつぶやき、まるごとチェンジ!
第6章 学校で感情を変える予防教育を実践する
実践の背景
心理学の治療法は移りかわる
感情を変える
コーピング
実践のテクニック
感情が起こった直後に効果的な方法
感情が起こって少し後に効果的な方法
実践 感情教育
実践―感情1 いやな気分よ、グッドバイ!
実践―感情2 自分だけの、秘密の気分コントロール法
実践―感情3 あのね、話があるの
第7章 学校で行動を変える予防教育を実践する
実践の背景
行動は、認知と感情の働きに強く関連する
知識だけでは変われない
実践のテクニック
基本的な実践の流れと注意点…
アサーティブ・メッセージの構成
実践 行動教育
実践―行動1 なんと言ってもアサーティブ!
実践―行動2 お願いアサーティブ!
実践―行動3 ことわりアサーティブ!
第8章 最終の総合教育と予防教育プログラムの全体
実践 最終総合教育
実践 最終総合教育 この授業のこと、ぜったい忘れない!
うつ病予防プログラムの全体像
効果評価についての注意と今後の発展のために
プログラムの効果評価
今後の発展のために
そこで、すべての子どもたちがうつ病になる可能性があると考え、すべての子どもたちを対象にした、学校で行う予防教育プログラムを考案しました。「認知」「感情」「行動」――3つの心の要素を対等にとらえたうつ病予防教育の実践。ゲーム的な要素をふんだんに取り入れた授業構成は、小学生でも楽しみながら取り組めること請け合いです。
指導にそのまま使えるスキット(パソコン用紙芝居)とワークシートを付録のCD-ROMに収録!